古典

弦楽四重奏曲

String Quartet

オーストリア / 中央ヨーロッパ · 1755年〜

2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための室内楽形式。古典派以降の作曲家にとって最高の知的様式とみなされる。

概要

ハイドンが作品20、33でジャンルを確立し、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトが個性的に発展させた。4声部の対等性と緻密な動機労作を特徴とし、作曲家の「思考の純度」が試される領域である。

背景

18世紀後半、貴族邸での室内演奏文化のなかで、弦楽合奏の縮小版として「四つの旋律楽器」の組み合わせが標準化された。エステルハージ侯爵家のお抱え楽長としてのハイドンが、形式の規範化と社会的地位を同時に確立した。市民音楽家組合での演奏実践がジャンルを社会的に拡げた。

発展

ハイドン作品33(1781)で「会話」のように対等な4声書法が完成、モーツァルトの「ハイドン四重奏曲」(K.387ほか)、ベートーヴェン後期(作品127〜135、特に大フーガ作品133)が哲学的領域に到達した。ロマン派ではシューベルト「死と乙女」、メンデルスゾーン、ブラームス、ドヴォルザーク、20世紀ではバルトーク6曲、ショスタコーヴィチ15曲、リゲティ、カーター、シュニトケが代表的サイクルを残した。

出来事

  • 1781: ハイドン「弦楽四重奏曲集」作品33
  • 1825: ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第13番」(大フーガ含む)
  • 1939: バルトーク「弦楽四重奏曲第6番」
  • 1974: ショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第15番」

派生・影響

弦楽五重奏、弦楽合奏曲、ピアノ五重奏など室内楽全般、20世紀の現代音楽サイクル(フェルドマン、ラッヘンマン)まで広く影響を残す。

音楽的特徴

楽器弦楽四重奏(2 vn, va, vc)

リズムソナタ形式、4楽章、対等な4声

代表アーティスト

  • ヨーゼフ・ハイドンオーストリア · 1755年〜1809
  • ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトオーストリア · 1762年〜1791
  • ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンドイツ · 1792年〜1827
  • フランツ・シューベルトオーストリア · 1810年〜1828
  • ヨハネス・ブラームスドイツ · 1855年〜1897
  • アントニン・ドヴォルザークチェコ · 1865年〜1904
  • ベラ・バルトークハンガリー · 1900年〜1945
  • ジェルジ・リゲティハンガリー/オーストリア · 1950年〜2006
  • ジョージ・ロックバーグアメリカ合衆国 · 1955年〜2005
  • ベン・ジョンストンアメリカ合衆国 · 1955年〜2019

代表曲

  • 弦楽四重奏曲 第33番「鳥」 作品33-3ヨーゼフ・ハイドン (1781)YouTube で検索
  • 弦楽四重奏曲第19番 ハ長調 K. 465「不協和音」ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (1785)YouTube で検索
  • 弦楽四重奏曲第14番 ニ短調「死と乙女」 D 810フランツ・シューベルト (1824)YouTube で検索
  • 弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調 作品131ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1826)YouTube で検索
  • 弦楽四重奏曲第6番ベラ・バルトーク (1939)YouTube で検索

関連ジャンル

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