交響詩
標題音楽の代表ジャンル。文学・絵画・思想を素材に、単一楽章の管弦楽作品で物語を描く。
概要
リストが1854年頃に「Symphonische Dichtung」の語を造り、形式を確立した。古典的ソナタ形式に縛られず、主題変容(テーマの形式的変容)を駆使して内容と形式を統合する。
背景
19世紀ロマン主義のもとで「絶対音楽(純粋器楽)」と「標題音楽(プログラム音楽)」の論争が起こり、ベルリオーズ「幻想交響曲」(1830)が標題交響曲の先例を示した。リストは標題音楽の旗手として、文学的・哲学的内容を音楽で語る形式を体系化した。
発展
リスト13曲の交響詩(「前奏曲」「タッソー」「マゼッパ」など)が出発点となり、スメタナ「我が祖国」、ボロディン「中央アジアの草原にて」、サン=サーンス「死の舞踏」、ドヴォルザーク、シベリウス、R.シュトラウス(「ドン・ファン」「ティル・オイレンシュピーゲル」「ツァラトゥストラはかく語りき」「英雄の生涯」「アルプス交響曲」)などが代表的傑作を残した。
出来事
- 1830: ベルリオーズ「幻想交響曲」初演
- 1854: リスト「前奏曲」初演
- 1874: スメタナ「我が祖国」より「モルダウ」
- 1898: R.シュトラウス「英雄の生涯」
派生・影響
20世紀の管弦楽標題作品(レスピーギ「ローマの松」、ガーシュウィン「アメリカ人 in パリ」)、映画音楽の管弦楽書法に直接影響を与えた。
音楽的特徴
楽器管弦楽
リズム単一楽章、主題変容、標題的構成
代表アーティスト
- フランツ・リスト
- ベドルジハ・スメタナ
- グスタフ・マーラー
- リヒャルト・シュトラウス
- グスターヴ・ホルスト
代表曲
- 前奏曲 — フランツ・リスト (1854)YouTube で検索
- 我が祖国「モルダウ」 — ベドルジハ・スメタナ (1874)YouTube で検索
- ツァラトゥストラはかく語りき 作品30 — リヒャルト・シュトラウス (1896)YouTube で検索
- 英雄の生涯 作品40 — リヒャルト・シュトラウス (1898)YouTube で検索
- 惑星 作品32 — グスターヴ・ホルスト (1916)YouTube で検索