ロシア五人組
1860〜70年代ペテルブルクで活動した、ロシア国民楽派の中心となる5人の作曲家集団。
概要
バラキレフを中心に、ボロディン、キュイ、ムソルグスキー、リムスキー=コルサコフが結集し、西欧アカデミズムから自由な独自のロシア音楽を志した。民謡採集と教会旋法、「全音音階」の使用に特徴がある。
背景
1860年代ロシアは農奴解放(1861)を機に社会改革熱が高まり、芸術にもナショナル・アイデンティティの追求が要請された。グリンカ「皇帝に捧げた命」が国民楽派の出発点とされ、その遺志をバラキレフが継承した。批評家スターソフが理論的支柱となった。
発展
ムソルグスキー「ボリス・ゴドゥノフ」「展覧会の絵」、ボロディン「イーゴリ公」「中央アジアの草原にて」、リムスキー=コルサコフ「シェエラザード」「金鶏」が主要作で、各人異なる路線を模索した。リムスキー=コルサコフはペテルブルク音楽院教授となり次世代(グラズノフ、ストラヴィンスキー)を育てた。
出来事
- 1862: バラキレフ、無料音楽学校設立
- 1874: ムソルグスキー「ボリス・ゴドゥノフ」初演、「展覧会の絵」作曲
- 1888: リムスキー=コルサコフ「シェエラザード」
- 1890: ボロディン「イーゴリ公」初演(リムスキー補筆)
派生・影響
ストラヴィンスキー「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチへ国民楽派の遺産が継承され、20世紀ロシア音楽全体の基礎となった。
音楽的特徴
楽器管弦楽、ピアノ、オペラ
リズム民謡素材、教会旋法、全音音階
代表アーティスト
- アレクサンドル・ボロディン
- モデスト・ムソルグスキー
- ニコライ・リムスキー=コルサコフ
- イーゴリ・ストラヴィンスキー
代表曲
- ボリス・ゴドゥノフ — モデスト・ムソルグスキー (1874)YouTube で検索
- 展覧会の絵 — モデスト・ムソルグスキー (1874)YouTube で検索
- 中央アジアの草原にて — アレクサンドル・ボロディン (1880)YouTube で検索
- シェエラザード 作品35 — ニコライ・リムスキー=コルサコフ (1888)YouTube で検索
- イーゴリ公「ダッタン人の踊り」 — アレクサンドル・ボロディン (1890)YouTube で検索