三曲
箏・三味線(地歌)・尺八(または胡弓)による室内合奏形式。
概要
近世日本の代表的合奏ジャンル。地歌の歌い手が三味線を奏で、箏が手事を担い、尺八(または胡弓)が旋律を補強する三者の対話的合奏。江戸後期に確立し、邦楽の集大成的形式となった。
背景
18世紀末から19世紀初頭、地歌の手事物に箏と胡弓が加わり、後に尺八が胡弓に取って代わって三曲合奏が成立した。検校たちのレパートリーが共有財産化し、流派を超えた合奏文化が広まった。
発展
明治以降、当道座解体後も三曲協会が組織され、流派合同の演奏会が定着した。宮城道雄らによる新作も三曲編成を踏襲し、現代邦楽創作の基本フォーマットとなった。学校教育の邦楽指導でも採用される。
出来事
- 1820年頃: 三曲合奏の様式確立。
- 1872年: 三曲協会の前身組織発足。
- 1929年: 宮城道雄『春の海』が三曲スタイルを世界に紹介。
- 1955年: 邦楽諸流派が重要無形文化財指定。
- 2008年: 学習指導要領で邦楽必修化。
派生・影響
現代邦楽合奏・新日本音楽の母体形式となり、邦楽器による室内楽創作の原点となった。
音楽的特徴
楽器箏、三味線(中棹)、尺八、胡弓、声
リズム手事と歌の交替、三者の呼吸合わせ、段構成
代表アーティスト
- 宮城道雄
代表曲
- 春の海 — 宮城道雄 (1929)YouTube で検索