尺八本曲
尺八のための独奏古典曲。禅と結びついた瞑想的音楽。
概要
普化宗の虚無僧が修行の一環として吹奏した尺八独奏曲群。一音成仏(吹禅)の思想に基づき、各音そのものに精神性を込める。『鹿の遠音』『虚空』『霧海篪』など、明治以前の伝承曲が中心レパートリー。
背景
鎌倉期に普化宗が日本に伝来し、虚無僧の托鉢音楽として尺八が発展した。江戸期に幕府公認の宗派となり、関東(明暗対山派)・京都(明暗寺)などに本山が置かれた。一音をひとつの呼吸で吹き伸ばす技法が修行と一体化していた。
発展
明治4年(1871年)の普化宗廃止後、本曲は中尾都山・荒木古童らの努力で世俗的な演奏芸として継承された。20世紀には都山流・琴古流が二大流派を形成し、現代音楽家(武満徹『ノヴェンバー・ステップス』など)が尺八を国際的に紹介した。
出来事
- 1614年頃: 普化宗虚無僧制度の整備。
- 1871年: 普化宗廃止令。
- 1896年: 中尾都山が都山流創始。
- 1967年: 武満徹『ノヴェンバー・ステップス』ニューヨーク初演。
- 1990年代: 国際尺八フェスティバル始動。
派生・影響
三曲合奏での尺八の地位を確立する基盤となり、現代邦楽・現代音楽における尺八作品の母体となった。
音楽的特徴
楽器尺八(一尺八寸管が標準、六孔・五孔の流派あり)
リズム無拍節・呼吸単位の節、ムラ息・メリ・カリの音色変化、一音成仏の思想
代表アーティスト
- 中尾都山
- 海童道祖
- 山口五郎
代表曲
- 鹿の遠音YouTube で検索