チェコ国民楽派
19世紀後半のボヘミア・モラヴィアで、チェコ民族文化を音楽で表現した楽派。
概要
スメタナ、ドヴォルザーク、ヤナーチェクの三世代にまたがる楽派。ボヘミア・モラヴィア民謡の旋律性とリズム、チェコ語の抑揚を活かした旋律書法を特徴とする。
背景
ハプスブルク帝国のチェコ語復権運動(リチェール期)と並行して、チェコ国民劇場の建設(1881)が文化的シンボルとなった。スメタナはこの劇場のための歌劇「リブシェ」を書き、国民音楽の創設を担った。
発展
スメタナ「我が祖国」「売られた花嫁」が国民音楽の基礎を作り、ドヴォルザークが交響曲、室内楽、オペラ「ルサルカ」で国際的成功を収めた。ヤナーチェクはモラヴィア民謡採集と「話し言葉のメロディ」研究を背景に、独自の言語的旋律書法でオペラ「イェヌーファ」「カーチャ・カバノヴァー」を書いた。
出来事
- 1866: スメタナ「売られた花嫁」初演
- 1874: スメタナ「我が祖国」より「モルダウ」
- 1893: ドヴォルザーク「交響曲第9番(新世界より)」初演
- 1904: ヤナーチェク「イェヌーファ」初演
派生・影響
20世紀チェコ作曲家(マルティヌー)、東欧国民楽派全般、現代の民族言語的書法(リゲティのモラヴィア研究)に影響を残した。
音楽的特徴
楽器管弦楽、室内楽、オペラ
リズム民謡素材、ボヘミア舞曲、言語的旋律
代表アーティスト
- ベドルジハ・スメタナ
- アントニン・ドヴォルザーク
- レオシュ・ヤナーチェク
代表曲
- 売られた花嫁 — ベドルジハ・スメタナ (1866)YouTube で検索
- スラヴ舞曲集 作品46 — アントニン・ドヴォルザーク (1878)YouTube で検索
- 我が祖国 — ベドルジハ・スメタナ (1879)YouTube で検索
- イェヌーファ — レオシュ・ヤナーチェク (1904)YouTube で検索
- シンフォニエッタ — レオシュ・ヤナーチェク (1926)YouTube で検索