ニャー・ニャック
ベトナム阮朝の宮廷儀礼音楽。漢字圏雅楽伝統の越南版。
概要
ベトナム阮朝(1802–1945)の宮廷儀礼で演奏された荘厳な音楽。中国・朝鮮・日本と並ぶ漢字圏雅楽伝統の越南独自の発展形で、グエン王朝の都フエ(順化)で大成された。タイ・ニャ(大雅・宮廷祭祀)、ビン・ニャ(兵雅・武勇)、ジャップ・ニャ(賓雅・歓迎)などの場面別レパートリーを持つ。
背景
15世紀の黎朝期に明朝雅楽が導入されたが、阮朝のミン・マン帝(在位1820–1841)期に大規模に整備され、宮廷儀礼の中核となった。中国系雅楽と土着楽器・旋法の融合が進んだ。
発展
1945年の阮朝廃止で衰退し、ベトナム戦争期にはほぼ消滅の危機に瀕した。1996年からのフエ宮廷音楽復興プロジェクトで再生され、2003年のユネスコ宣言で国際的に注目された。
出来事
- 1802年: 阮朝建国でフエに首都。
- 1830年代: ミン・マン帝による雅楽整備。
- 1945年: 阮朝終焉で衰退。
- 2003年: ユネスコ「人類の口承及び無形遺産の傑作」宣言。
- 2008年: ユネスコ無形文化遺産代表一覧表に統合登録。
派生・影響
現代ベトナム宮廷音楽復興、フエ国際フェスティバルの中核演目、東アジア雅楽圏(中国・朝鮮・日本)との比較研究の対象。
音楽的特徴
楽器ケン(チャルメラ)、サオ(笛)、ダン・ニ、ダン・グエット、トゥン(銅鑼)、太鼓
リズム荘厳な儀礼拍、儒教的整然たる構成、中国系雅楽の越南化
代表曲
- Mười Bản Tàu (1950)YouTube で検索