ロウアーケース・ミュージック
1990年代後半に興った、極小・極静の音を主素材とする実験音楽の潮流。
概要
スティーヴ・ローデン「Lowercase Sound」(1999)が用語の出典。日常の微かなノイズ、ハウリング、空気音などを増幅して可聴化し、注意深い聴取を要求する。
背景
ジョン・ケージ「4分33秒」、フェルドマンの極めて静かな後期作品、サウンドアートのフィールド・レコーディング伝統と、デジタル技術による微小信号操作の進展が出会って生まれた。日本のオンキョー派とも交差する国際的潮流。
発展
スティーヴ・ローデン「Forms of Paper」(2001)、ベルンハルト・ギュンター、リチャード・チャートランド、テイラー・デュプリーなどが代表。Linerecords、12k、Trenteoiseauxなどのレーベルが拠点となった。
出来事
- 1999: スティーヴ・ローデン「Lowercase Sound」用語使用
- 2001: ローデン「Forms of Paper」
- 2002: 「Lowercase Sound」コンピレーション、12k
- 2008: 国際的拡散の頂点
派生・影響
アンビエント、サウンドアート、現代電子音響音楽、現代の「静寂志向」音楽全般に影響を残している。
音楽的特徴
楽器微小ノイズ源、コンピュータ、フィールド録音
リズム極小ダイナミクス、長い時間構成、静寂
代表アーティスト
- モートン・フェルドマン
- アルヴィン・ルシエ
- スティーヴ・ローデン
- 中村としまる
代表曲
- Crippled Symmetry — モートン・フェルドマン (1983)YouTube で検索
- Forms of Paper — スティーヴ・ローデン (2001)YouTube で検索
- Nocturnes for the Blue Hour — スティーヴ・ローデン (2008)YouTube で検索