ホーミー
モンゴルの喉歌。一人で同時に複数の音を出す倍音歌唱。
概要
声帯と咽頭・口腔の共鳴を制御し、低音域のドローンと高音域の倍音旋律を一人の歌い手が同時に発声する技法。ハルヒラー(低音強調)・シングルテル(高音明瞭)・ハジル(咽頭締め付け)・イスゲレ(口笛様倍音)など複数の様式が存在する。
背景
モンゴル高原の遊牧民の自然との対話の中で発達したとされる。アルタイ山脈周辺(モンゴル国西部・ロシア・トゥヴァ・新疆ウイグル・カザフスタン)に類似の喉歌文化が広がり、家畜の声・風・水の音を模倣する側面も持つ。
発展
20世紀後半、Sundui・Tserendavaa らが舞台演奏家として国際的注目を集め、トゥヴァ共和国のフン・フール・トゥら隣接地域の喉歌奏者と並んで世界に知られた。1990年代以降、AnDa Union・Khusugtun・The Hu などが喉歌をロック・ポップ・現代音楽に応用している。
出来事
- 古代: アルタイ系遊牧民で発達。
- 1960年代: 国営モンゴル放送局による録音。
- 1992年: コンソート『Tuva: Voices from the Center of Asia』。
- 2009年: ユネスコ無形文化遺産代表一覧表に登録。
- 2018年: The Hu結成、世界的ヒット。
派生・影響
トゥヴァ喉歌・アルタイ喉歌・新疆喉歌など類縁伝統と並び、現代モンゴル・ロック(The Hu)、世界のオーバートーン・シンギング運動にも影響を与えた。
音楽的特徴
楽器声(無伴奏または馬頭琴伴奏)
リズム持続低音と倍音旋律の同時発声、ハルヒラー・シングルテルなど様式別、自由律
代表アーティスト
- Huun-Huur-Tu
- AnDa Union
- Khusugtun
- The Hu
代表曲
- Eg Chuluu Yum — AnDa Union (2010)YouTube で検索
- Wolf Totem — The Hu (2018)YouTube で検索