ワヤン音楽
ジャワ・バリの影絵芝居の伴奏音楽。ガムランの中核機能。
概要
革製の人形を白布の影で操るインドネシアの影絵芝居の伴奏音楽。ジャワでは中部様式のガムラン全編成、バリではより小規模なガムラン・ガンブー伴奏で、ダラン(操師)が一晩(7〜9時間)語り続けるラーマヤーナ・マハーバーラタの物語を支える。
背景
8〜9世紀の文献に既に言及があり、ヒンドゥー・仏教叙事詩がインドネシアに伝わる過程で発達した。マジャパヒト王国期に芸術として成熟し、イスラーム化後も民衆芸能として継承され続けた特筆すべき伝統。
発展
20世紀にはダラン(語り手)が芸術家として地位を確立し、Ki Nartosabdho(1925–1985)・Ki Manteb Soedharsono ら巨匠が出現した。現代はテレビ・YouTubeで子供向けの短時間版も普及している。
出来事
- 9世紀: ヴァヤン関連の最古文献。
- 1973年: 国営TVRI番組で全国普及。
- 1985年: Ki Nartosabdho死去で巨匠時代の終焉。
- 2003年: ユネスコ「人類の口承及び無形遺産の傑作」宣言。
- 2008年: ユネスコ無形文化遺産代表一覧表に登録。
派生・影響
現代インドネシア演劇・コミック・アニメ素材、ヴァヤン・ワヒュ(キリスト教題材ヴァヤン)など創作展開、世界各地のシャドウ・パペット文化との比較対象。
音楽的特徴
楽器ガムラン全編成、ダラン(操師)の声、シンデン
リズム場面ごとの定型パトゥト(旋律型)、長時間の連続演奏、ダランと楽団の即時的応答
代表アーティスト
- Ki Manteb Soedharsono
代表曲
- Wayang Mahabharata — Ki Manteb Soedharsono (2000)YouTube で検索