オルティン・ドー
モンゴルの長唱。一音節を極めて長く伸ばす儀礼的歌曲。
概要
モンゴル高原の儀礼・祝祭で歌われる声楽様式。一音節を長大な装飾旋律で引き伸ばすため、一首の歌が30分以上に及ぶこともある。馬頭琴の伴奏が一般的で、自然と人生を歌う叙情的詞章を持つ。
背景
13世紀以前のモンゴル帝国期から記録があるとされ、宮廷儀礼・婚礼・ナーダム祭などで歌われてきた。詞章は自然・愛情・故郷・馬を主題とし、口承で伝わる。
発展
20世紀前半まで地域の名歌手による継承だったが、社会主義期に国営放送・国立劇場が録音と保存を担った。1990年代以降は内モンゴル・モンゴル国双方で再評価が進み、ノロブバンザド・ジャムヤン・ドルジダグワら名歌手が国際的に活躍した。
出来事
- 13世紀: 帝国期の宮廷歌唱。
- 1962年: 国立モンゴル劇場での長唱録音。
- 1988年: ノロブバンザド国際公演。
- 2005年: ユネスコ「人類の口承及び無形遺産の傑作」宣言(モンゴル・中国共同)。
- 2008年: ユネスコ無形文化遺産代表一覧表に統合登録。
派生・影響
現代モンゴル創作歌曲・モンゴル映画音楽の素材となり、内モンゴル・ハルハ族・ブリヤート族など各地の長唱伝統が比較される。
音楽的特徴
楽器声、馬頭琴(モリン・フール)
リズム極めて緩やかな自由律、装飾的母音引き伸ばし、ノグロー(装飾)技法
代表アーティスト
- ノロブバンザド
- Khusugtun
代表曲
- Uyahan Zambuutivin Naran — ノロブバンザド (1980)YouTube で検索