古典

トルバドゥール

Troubadour

アキテーヌ / フランス / 南欧 · 1080〜1290年

別名: トロバドゥール

11〜13世紀の南仏オック地方で、宮廷風恋愛詩を作詞作曲した詩人音楽家たちの伝統。

概要

オック語による単旋律歌曲を中心に、騎士道的「フィン・アモール(雅やかな愛)」を主題とした。カンソ、シルヴェンテス、テンソンなど豊富な詩形式を生み、後の西洋抒情詩・俗語声楽全般の祖となった。

背景

11世紀末、十字軍を背景にしたアキテーヌの宮廷文化のなかで、ギヨーム9世(アキテーヌ公)を最初の詩人として現れた。アル=アンダルスのアラブ・アンダルス詩との接触が抒情の様式を刺激したと考えられている。封建制下の宮廷で、貴婦人を理想化する詩は社会的儀礼であり、詩人は雇われ・遍歴する音楽家として宮廷を渡り歩いた。

発展

12世紀にはマルカブリュー、ベルナルト・デ・ヴェンタドルン、ベルトラン・デ・ボルンらが多様な詩形式を確立した。アルビ十字軍(1209〜1229)による南仏文化の壊滅で衰退するが、その伝統はカタルーニャ・北イタリアへ流出し、ダンテに「俗語論」で称えられた。北仏のトルヴェール、ドイツのミンネゼンガーへ転位して中世俗語歌の系譜を作った。

出来事

  • 1100年頃: ギヨーム9世(アキテーヌ公)、最初のトルバドゥール
  • 1170年頃: ベルナルト・デ・ヴェンタドルン全盛
  • 1209: アルビ十字軍開始、南仏文化壊滅へ
  • 1290年頃: ジロー・リキエル没、トルバドゥール時代の終焉

派生・影響

トルヴェール、ミンネゼンガー、イタリアの「ドルチェ・スティル・ノヴォ」を経て、ルネサンスのフロットラ、シャンソン、マドリガーレへと流れ込んだ。近代のフォーレ・ドビュッシーらフランス歌曲の文学的源泉とも言われる。

音楽的特徴

楽器声、ヴィエル、リュート、ハープ

リズム単旋律、定型詩形式

代表アーティスト

  • ベルナルト・デ・ヴェンタドルンフランス(オック語圏) · 1145年〜1180

代表曲

関連ジャンル

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