スチールパン音楽
1930~40年代トリニダードで、廃油ドラム缶を音律楽器に転用して生まれた、カリブ独自の打楽器オーケストラ伝統。
概要
テナー・パン、ダブル・テナー、ギター・パン、ベース・パンに分かれた20~100人のスチール・オーケストラと、エンジン・ルーム(打楽器セクション)で構成。カリプソ、クラシック、ジャズなど幅広いレパートリーを演奏。
背景
1930年代、英領トリニダードの植民地政府がカーニバルでの民衆打楽器(タンブー・バンブー)を治安上の理由で禁じた後、若者がゴミ捨て場の油ドラム缶を打楽器として再利用したのが起点。労働者居住区(ラベヴェル、ベルモント)の若者ギャングが当初担い手であり、長らく「危険な貧困層の文化」と差別された。1962年独立後に国民音楽として制度化された。
発展
1951年に英国フェスティバル・オブ・ブリテンで国際デビューし、1970年代からのパノラマ大会(国営年次競演)で巨大化した。1990年代以降は欧米の大学プログラムや小学校でも教えられ、世界中のスチールバンドが参加する。
出来事
- 1939: 廃油ドラム缶の音律化開始
- 1951: 英国フェスティバル国際デビュー
- 1963: 国民楽器化
- 1971: パノラマ大会開始
派生・影響
カリプソ、ソカ、現代カリブ・ジャズと深い相互影響。
音楽的特徴
楽器スチールパン(複数音域)、エンジン・ルーム打楽器
リズムカリプソ系2/4、巨大編成、複数音域和声