ジングシュピール
ドイツ語による音楽劇形式。歌唱と話し言葉の対話を交互に挟む点が特徴。
概要
民衆的な題材と分かりやすい歌、短い重唱・合唱を中心とし、市民層の音楽劇として広まった。モーツァルト「魔笛」(1791)が芸術的頂点。後にドイツ・ロマン派オペラの源泉となる。
背景
18世紀後半、啓蒙絶対主義のもとでドイツ語による国民演劇運動が起こり、ヨーゼフ2世はウィーンに国民ジングシュピール劇場を設立した(1778)。当時イタリア・オペラが宮廷で支配的だったのに対し、ジングシュピールは市民・中産階級向けの娯楽として普及した。
発展
ヒラー、ベンダ、ディッタースドルフらが先駆けとなり、モーツァルト「後宮からの誘拐」(1782)、「魔笛」(1791)で芸術的頂点に達した。ベートーヴェン「フィデリオ」(1814)はジングシュピール起源だが、英雄的・啓蒙的内容で形式を拡張した。19世紀にはウェーバー「魔弾の射手」(1821)がロマン派ドイツ・オペラへの転換点となった。
出来事
- 1778: ウィーン国民ジングシュピール劇場設立
- 1782: モーツァルト「後宮からの誘拐」初演
- 1791: モーツァルト「魔笛」初演
- 1821: ウェーバー「魔弾の射手」初演
派生・影響
ドイツ・ロマン派オペラ(ウェーバー、マルシュナー、ワーグナー初期)、ウィーン・オペレッタ、20世紀のミュージカルへ流れ込んだ。
音楽的特徴
楽器独唱、合唱、管弦楽(話し言葉あり)
リズム歌+セリフ、有節歌曲、重唱フィナーレ
代表アーティスト
- ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
- カール・マリア・フォン・ウェーバー
代表曲
- 後宮からの誘拐 K. 384 — ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (1782)YouTube で検索
- 魔笛 K. 620 — ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (1791)YouTube で検索
- 魔弾の射手 — カール・マリア・フォン・ウェーバー (1821)YouTube で検索