クアンホー
ベトナム北部紅河デルタの男女対歌伝統。
概要
ベトナム北部バクニン省・バクザン省の49村に伝わる、男女が二組に分かれて応答する対歌(かけ合い歌)。リエン・アイン(歌兄)とリエン・チ(歌姉)が連歌のように交互に歌い、自然・愛・別離を主題とする。テト(旧正月)や春祭りで集中的に演じられる。
背景
13世紀以前にさかのぼると伝えられ、紅河デルタの稲作共同体の社交として発達した。1054年のリー王朝期の文献に類似の歌唱が記されている。村と村の交流の場で歌掛けを行い、歌兄・歌姉同士の擬制的姉妹村関係(クアンホー村社)が形成された。
発展
20世紀には都市公演化が進み、バクニン省民俗芸術団が舞台化を担った。2009年のユネスコ無形文化遺産登録が決定打となり、世代間の継承活動が活発化した。
出来事
- 11世紀: 紅河デルタでの起源(伝)。
- 1954年: 北ベトナム文化政策での保存。
- 1996年: バクニン省民俗芸術団全国公演。
- 2009年: ユネスコ無形文化遺産代表一覧表に登録。
- 2018年: クアンホー国際フェスティバル。
派生・影響
ベトナム北部民謡全般の旋律的源泉、現代ベトナム合唱曲の素材、ホー・ザイン作品など現代音楽家のインスピレーションとなる。
音楽的特徴
楽器声(無伴奏が伝統、舞台では民族楽器伴奏)
リズム男女対歌の応答、自由律の伸びやかな旋律、北部方言詞章
代表曲
- Quan Họ Bắc Ninh (1990)YouTube で検索