長唄
歌舞伎舞踊の伴奏として発展した三味線音楽の代表的様式。
概要
細棹三味線・唄方・囃子方による江戸生まれの伴奏音楽。歌舞伎の舞踊曲(『勧進帳』『京鹿子娘道成寺』など)を中心に、お座敷で独立して鑑賞される素唄(素演奏)も発達した。長尺で多段構成を持ち、軽快な節と細やかな手数を特徴とする。
背景
17世紀後半、江戸歌舞伎の舞踊伴奏として上方の三味線音楽から発展した。江戸の町人文化に根差し、町方の素人弟子も多数育てた。杵屋・芳村・松島・岡安など家元制度のもとで継承された。
発展
明治期に歌舞伎座の整備とともに長唄演奏家が職業として確立し、東京音楽学校(現東京藝大)に邦楽科が設けられた。20世紀には素演奏会・録音の普及で鑑賞音楽としての地位を獲得した。現代では東京藝大邦楽科・国立劇場が中心的伝承機関となっている。
出来事
- 17世紀末: 江戸歌舞伎で長唄が定着。
- 1773年: 杵屋家の勢力が確立。
- 1840年: 河竹黙阿弥らによる長唄舞踊曲の隆盛。
- 1888年: 東京音楽学校に邦楽科設置(後に独立)。
- 1955年: 重要無形文化財指定。
派生・影響
邦楽合奏(三曲合奏)・端唄・小唄など江戸後期の三味線歌曲群と互いに影響しあった。歌舞伎舞踊の音楽様式を規定し、日本舞踊の伴奏ジャンルとしても継承される。
音楽的特徴
楽器細棹三味線、唄方、笛、小鼓、大鼓、太鼓
リズム歌舞伎舞踊の段構成、序奏(前弾き)・段切れ、囃子の入りと唄の応答
代表アーティスト
- 杵屋六四郎
- 杵屋勝四郎
代表曲
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