モルナ
カーボベルデの郷愁的な歌曲で、奴隷貿易の集積港の歴史を背負い、移民とソダーデ(郷愁)を歌う国民的ジャンル。
概要
ヴィオラ(ギター)、カヴァキーニョ、クラリネット、ピアノを伴奏に、4拍子の緩やかなテンポで悲しげな旋律を歌う。歌詞は植民地クリオール語で書かれ、移民・別離・愛・島嶼性を主題とする。
背景
18~19世紀、ポルトガル植民地カーボベルデは大西洋奴隷貿易の中継地として大きく傷つき、独立まで続いた飢饉と労働移民が島嶼民の生を規定した。モルナはサンタ・カタリーナ島やボア・ヴィスタ島の19世紀の歌から発展し、20世紀前半にミンデロのエウジェニオ・タヴァレス、B・レザの作詞作曲で文学的洗練を獲得した。リオデジャネイロのモジーニャやアンゴラのセンバとも親縁関係を持つと考えられる。
発展
1990年代にセザリア・エヴォラがフランス・レーベルのリズム・ミュージックから国際デビューしてから世界的に知られ、2003年のグラミー受賞で最高潮を迎えた。彼女の死後はマヤラ・アンドラージやエルアウトラといった次世代が継承し、2019年にはモルナがユネスコ無形文化遺産に登録された。
出来事
- 1900s: エウジェニオ・タヴァレスが詩的洗練を確立
- 1992: セザリア・エヴォラ『ミス・ペルフュメイダ』
- 2003: 同『ヴォス・アミーガ』でグラミー受賞
- 2019: ユネスコ無形文化遺産登録
派生・影響
コラデイラ、ファド、ブラジル・モジーニャ、アンゴラ・センバと相互影響。
音楽的特徴
楽器ヴィオラ、カヴァキーニョ、クラリネット、ピアノ、声
リズム緩やかな2/4、悲歌調、クリオール語
代表アーティスト
- Cesária Évora
- Mayra Andrade
代表曲
- Sodade — Cesária Évora (1992)YouTube で検索
- Besame Mucho — Cesária Évora (2003)YouTube で検索
- Storia, Storia — Mayra Andrade (2010)YouTube で検索