ザジャル(レバノン)
レバノン山岳地帯で発達した即興口承詩歌で、複数の詩人が観衆の前で韻を踏みながら掛け合いを行う対話芸。
概要
コーラスのフリー伴奏(ダフ・タンバリンとリュート程度)に乗せて、詩人(ザジャール)2~4人が交互に8音節詩を即興詠唱する。観衆も合唱で応答し、夜通し続くこともある。
背景
13~14世紀のアンダルシア起源説と、レバノンのドルーズ・マロン派山岳社会の口承詩説がある。20世紀初頭、ザイン・シャイーブ、シャヒルー、フィヌヴらが「ジャワーカ」(対決)を制度化し、村祭・結婚式・政治集会で詠唱した。1948年以降のパレスチナ難民流入とレバノン内戦でも、政治批評の媒介として機能した。
発展
ラジオ・テレビ普及後はマンチアー、ザギルール、アスマール・ハリル兄弟ら著名ザジャール詩人が国民的人気を得た。2014年にユネスコ無形文化遺産に登録された。
出来事
- 1930s: ザイン・シャイーブ全盛期
- 1956: ラジオ・レバノンで定期放送
- 2014: ユネスコ無形文化遺産登録
- 2018: ベイルートで国際ザジャル・フェス
派生・影響
アンダルシア・ムワシャハ、アラブ・タラブ、レバノン・ポップ、ヒップホップとの交差。
音楽的特徴
楽器ダフ、リュート、合唱、独唱
リズム8音節詩、即興対決、合唱応答