ハリージー音楽
アラビア湾岸諸国(クウェート・バーレーン・サウジ東部・カタール・UAE)の海洋都市文化に育った、ペルシア・アフリカ・アラブが交差する独自の音楽群。
概要
ウード、サンタール、ミルワース(小型タンバリン)、タール、ハジハジア(踊り)を擁する。サウト(都市宮廷風)、フィジリ(真珠採り船員の合唱)、アル・ミニン(女性結婚式歌)など多様な様式を含む。
背景
オマーン経由のアフリカ系奴隷、ペルシア湾交易、インド・ムスリム移民が加わった多文化海洋都市の音楽。20世紀の真珠採り潜水夫(ガッワース)の労働歌フィジリは、過酷な労働と祈りの結合を象徴する。石油以前のアラブ湾岸都市の海洋共同体の歴史を音化したものと言える。
発展
1930~50年代のクウェート・バーレーンでサウトが宮廷から大衆サロンへ拡張し、アブドゥッラー・アル・ファドハーラ、サウド・アル・ラーシド、後の世代でムハンマド・アブドゥが汎アラブで活躍した。1970年代以降の石油経済とテレビ放送網で、ハリージー・ポップが汎アラブの主流の一つとなった。
出来事
- 1932: 真珠採り産業の崩壊で陸上化
- 1960: クウェート・テレビ開局
- 1985: ムハンマド・アブドゥ汎アラブで全盛
- 2014: フィジリがバーレーンの無形文化遺産候補リストに
派生・影響
アラブ・タラブ、ペルシア古典、東アフリカ・ターラブ、インド・カッワーリーと交差。
音楽的特徴
楽器ウード、サンタール、ミルワース、タール、声、合唱
リズムサウト拍子(6/8)、フィジリ拍手、女性歌の即興
代表アーティスト
- Mohammed Abdu
代表曲
- Laylah — Mohammed Abdu (1980)YouTube で検索