ガザル
ペルシア・ウルドゥー詩を歌う、北インド・パキスタンの抒情歌曲。
概要
ペルシア由来の二行連句(シェール)の連続からなる詩形を、ラーガとリズム(主にケヘルワー・ダドラ)に乗せて歌う形式。14世紀のアミール・フスローを源流とし、19〜20世紀のミルザー・ガーリブの詩で頂点を迎えた。20世紀後半にはメヘディ・ハッサン・グラーム・アリ・ジャグジット・シンらが大衆化した。
背景
ペルシアのスーフィー詩の伝統が、デリー・スルタン朝・ムガル朝を経て北インド・ウルドゥー語圏に定着した。19世紀のミルザー・ガーリブ・ザウク・モーミンらが詩を完成させ、20世紀初頭からそれを歌う伝統が確立した。
発展
メヘディ・ハッサン(パキスタン)・グラーム・アリ(パキスタン)・ベーガム・アクタル・タラート・マフムード・ジャグジット・シン・パンカジ・ウダースらが歌手として国際的に活動した。ジャグジット・シンの『シャーム-エ-ガザル』はガザルを大衆音楽の地位に押し上げた。
出来事
- 14世紀: アミール・フスローによるインド・ガザルの基礎。
- 1869年: ミルザー・ガーリブ死去、詩集成立。
- 1957年: メヘディ・ハッサン放送デビュー。
- 1976年: ジャグジット・シン『The Unforgettables』。
- 2008年: パドマ・ヴィブシャン受章(ジャグジット・シン)。
派生・影響
ボリウッド映画歌の重要な源泉となり、グザル・ナイト形式の南アジア大衆コンサート文化を生んだ。
音楽的特徴
楽器声、ハルモニウム、タブラ、サーランギー、ターンプラ
リズムケヘルワー(8拍)・ダドラ(6拍)、シェール(二行連句)の繰り返し、詩の意味を強調する装飾
代表アーティスト
- ベーガム・アクタル
- メヘディ・ハッサン
- グラーム・アリ
- ジャグジット・シン
代表曲
- Mere Humnafas — ベーガム・アクタル (1972)YouTube で検索
- Ranjish Hi Sahi — メヘディ・ハッサン (1976)YouTube で検索
- Hoshwalon Ko Khabar Kya — ジャグジット・シン (1999)YouTube で検索