バロック組曲
舞曲楽章を連ねたバロック器楽形式。アルマンド‐クーラント‐サラバンド‐ジーグを基本とし、ガヴォットやメヌエットを挿入する。
概要
17世紀フランスのリュート組曲から発展し、フローベルガーが鍵盤組曲の標準配列を整えた。バッハ「フランス組曲」「イギリス組曲」「パルティータ」、ヘンデル鍵盤組曲、テレマンの管弦楽組曲などが典型。
背景
宮廷舞踏の衰退とともに、舞曲は実用機能から鑑賞用器楽様式へ移った。フランス・リュート派(ゴーティエ)の繊細な音響趣味、ヴェルサイユ宮廷の儀式的バロック・ダンス、イタリアのヴァイオリン楽派が混交した。鍵盤楽器・リュート・弦楽器・管弦合奏など多様な編成で書かれた。
発展
フローベルガーが標準配列を定め、フランスのクープラン、ラモーが鍵盤組曲を芸術的頂点に押し上げた。バッハの3組(フランス、イギリス、パルティータ)と4つの管弦楽組曲(BWV1066-1069)、ヘンデルの「水上の音楽」「王宮の花火の音楽」(管弦楽組曲の代表)が伝統を集大成した。
出来事
- 1649: フローベルガー、組曲配列の整備
- 1717: クープラン「クラヴサン奏法」「クラヴサン組曲集」
- 1722: バッハ「フランス組曲」第1巻完成
- 1749: ヘンデル「王宮の花火の音楽」初演
派生・影響
古典派ディヴェルティメント・セレナーデ、ロマン派性格小品集、20世紀のラヴェル「クープランの墓」、ヒンデミットの新古典主義組曲などへ受け継がれた。
音楽的特徴
楽器鍵盤楽器、リュート、弦楽合奏、管弦合奏
リズム舞曲楽章の連結、二部形式
代表アーティスト
- フランソワ・クープラン
- ゲオルク・フィリップ・テレマン
- ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
- ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
- ジャン=フィリップ・ラモー
代表曲
- 水上の音楽 — ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル (1717)YouTube で検索
- クラヴサン組曲集第3巻 — フランソワ・クープラン (1722)YouTube で検索
- イギリス組曲第2番 イ短調 BWV 807 — ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1725)YouTube で検索
- 管弦楽組曲第3番 BWV 1068 — ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1731)YouTube で検索
- 王宮の花火の音楽 — ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル (1749)YouTube で検索