アスリ・イナン
マレー半島の伝統舞踊歌曲。アスリは緩やか、イナンは軽快。
概要
マレー半島(マレーシア・シンガポール・南部タイ)で踊られる二系列の伝統舞踊歌曲。アスリは緩やかな三拍子で抒情的、イナンは中庸の二拍子でやや明るい。ガンブス(マレー琵琶)・ルバナ・ヴァイオリン・アコーディオンの伴奏で、宮廷から村祭りまで広く演じられる。
背景
16〜18世紀のマレー・スルタン国宮廷で発達し、アラブ・ペルシア由来のガンブス音楽と土着マレー文化が融合して成立した。マラッカ・ジョホール・ケダーなど各地のスルタン宮廷で愛好された。
発展
20世紀にはサロマ・P・ラムリーらが映画でアスリ・イナン歌曲を歌い、マレー大衆音楽の基盤を築いた。現代もマレー結婚式・国家行事で必須の音楽として継承されている。
出来事
- 16世紀: マレー宮廷音楽として成立。
- 1950年代: P・ラムリーの映画歌で大衆化。
- 1970年代: 国営マレー芸術団による保存。
- 1990年代: 国際アジア音楽フェスティバル参加。
- 2010年代: 若手アーティストによる現代化。
派生・影響
現代マレー・ポップ・ジョゲット(舞踊歌)・ザピン(アラブ系舞踊歌)などマレーシア大衆音楽の旋律的基盤を提供した。
音楽的特徴
楽器ガンブス、ヴァイオリン、ルバナ、アコーディオン、声
リズムアスリは6/8〜3/4の緩拍、イナンは2/4の中庸拍、マレー詩パントゥン
代表アーティスト
- P. Ramlee
- Saloma
代表曲
- Asli Selendang Mak Inang — P. Ramlee (1956)YouTube で検索