ランチェラ
20世紀メキシコで成立した、農村牧場(ランチョ)の感情を歌う愛と喪失の歌曲ジャンルで、マリアッチが伴奏する大衆歌の中核。
概要
マリアッチまたはギター伴奏に、男声・女声の独唱者が情熱的なメリスマと「グリート」(高揚した叫び)を交えて歌う。ワルツ系3/4、ポルカ系2/4、ボレロ系3拍系の三型がある。
背景
メキシコ革命(1910~)後、都市化した農村出身者が「失われた牧場の故郷」を歌う心情を担うジャンルとして、ホセ・アルフレド・ヒメネス、ロラ・ベルトラン、チャベラ・バルガスが確立した。マリアッチの宮廷的洗練とは異なり、ランチェラは「酒・失恋・男気」の率直な表出を許容する。
発展
1950~70年代にホセ・アルフレド・ヒメネスが300曲以上を作曲、メキシコ国民歌の定番となった。21世紀のリラ・ダウンズ、アレハンドロ・フェルナンデスが現代化し、女性パフォーマー(チャベラ・バルガス)による既存ジェンダー規範への異議申し立てもなされた。
出来事
- 1947: ホセ・アルフレド・ヒメネス作曲家デビュー
- 1957: ロラ・ベルトラン全盛
- 1991: チャベラ・バルガス再ブレイク
- 2014: リラ・ダウンズ・グラミー受賞
派生・影響
マリアッチ、ボレロ、ノルテーニョ、現代メキシコ・ポップ全般に影響。
音楽的特徴
楽器マリアッチ、ギター、声
リズムワルツ3/4・ポルカ2/4・ボレロ系、グリート叫び、メリスマ
代表アーティスト
- Pedro Infante
- José Alfredo Jiménez
- Chavela Vargas
- Vicente Fernández
- Lila Downs
代表曲
- El Rey — José Alfredo Jiménez (1971)YouTube で検索
- Volver Volver — Vicente Fernández (1972)YouTube で検索
- La Llorona — Chavela Vargas (1991)YouTube で検索
- La Cucaracha — Lila Downs (2004)YouTube で検索