謡曲
能の声楽部分。シテ・ワキ・地謡による無伴奏的な歌唱。
概要
能の上演における声楽パート。シテ(主役)・ワキ(脇役)・地謡(8人前後の合唱団)が幽玄な節に乗せて詞章を謡う。囃子方(笛・小鼓・大鼓・太鼓)と組み合わさり能楽の中核を成す。観世・宝生・金春・金剛・喜多の五流派が伝承する。
背景
14世紀、観阿弥・世阿弥親子が大和猿楽を芸術的に高めて能楽を成立させ、足利義満の庇護を得た。世阿弥『風姿花伝』は能の美学の根本書。江戸期には武家の式楽として保護され、五流派制度が固まった。
発展
明治維新の混乱期に一時衰退したが、岩倉具視ら維新政府要人の支援で再興され、能楽社(後の能楽協会)が組織化された。20世紀には海外公演や現代能の創作も行われ、武満徹・池辺晋一郎ら現代作曲家が能の素材を取り入れた。
出来事
- 14世紀: 観阿弥・世阿弥による能楽の大成。
- 1402年頃: 世阿弥『風姿花伝』成立。
- 江戸期: 武家式楽として五流派制度化。
- 1881年: 能楽社設立で再興。
- 2008年: 能楽がユネスコ無形文化遺産代表一覧表に登録(2001年宣言を統合)。
派生・影響
能の様式(ヨワ吟・ツヨ吟・サシ・クセ・ノリ)は日本舞踊・狂言と同根の芸を共有し、近代演劇・能舞台での新作能にも継承される。
音楽的特徴
楽器シテ・ワキ・地謡(声)、能管(笛)、小鼓、大鼓、太鼓
リズムヨワ吟・ツヨ吟の二大音階、序破急、囃子のヤ・ハの掛け声
代表アーティスト
- 梅若実