浪花節
三味線伴奏で物語を語る、近代日本の語り物芸能。
概要
明治期に成立した、義理人情を主題とする語り物。一人の浪曲師(語り手)が三味線奏者(曲師)と組み、唸る声で物語を語る。忠臣蔵・国定忠治・清水次郎長伝など、講談・人情噺と素材を共有しつつ、節と啖呵(語り)を交互に展開する。
背景
幕末から明治にかけて、説経節・祭文語り・河内音頭などが融合して成立した。1907年に浪花亭駒吉が東京の寄席で『清水次郎長伝』を演じ大衆化、桃中軒雲右衛門・初代吉田奈良丸らが全国的人気を得た。
発展
ラジオ放送の開始(1925年)で爆発的に普及し、戦前・戦後を通じて庶民娯楽の頂点に立った。広沢虎造『清水次郎長伝』はレコード史上の大ベストセラーとなった。テレビの普及とともに衰退したが、国本武春・玉川奈々福ら現代浪曲師が革新的に継承している。
出来事
- 1907年: 浪花亭駒吉の東京進出で全国化。
- 1925年: ラジオ放送で大衆化。
- 1939年: 広沢虎造『次郎長伝』レコード大ヒット。
- 1960年代: テレビ普及で衰退。
- 2000年代: 国本武春らによる現代浪曲復興。
派生・影響
演歌の節回し・歌謡浪曲・浪曲漫才など多くのジャンルに影響を与えた。歌舞伎・映画にも素材を提供し、戦前日本の物語文化の中心軸となった。
音楽的特徴
楽器声(浪曲師)、三味線(曲師)
リズム節と啖呵の交替、唸るような節回し、義理人情の劇的構成
代表アーティスト
- 広沢虎造
- 国本武春
代表曲
- 清水次郎長伝 — 広沢虎造 (1939)YouTube で検索