伝統・民族

モーリタニア・イガウィン

Mauritanian Iggawin Music

モーリタニア / サヘル · 1100年〜

別名: Iggawen / Moorish music

モーリタニアのムーア人社会に伝わる世襲音楽家階級イガウィンが担う、アラブ・ベルベル・サヘルが融合した宮廷音楽。

概要

ティディニット(男声用4弦琵琶)、アルディン(女性専用ハープ)、太鼓トベルを核とし、五つのモードと黒・白・斑の三つの「色」(センス)を移行する独特の体系を持つ。歌唱はアラビア語の詩やハサニア方言を用いる。

背景

サハラ砂漠西端のサヘル/マグレブ移行地帯で、アラブ系遊牧民とベルベル系、サブサハラの黒人系が混じる多層社会を反映する。イガウィンは身分制下で他の階級から低く見られつつも宮廷で不可欠の存在として保護を受けた。植民地期と独立後の都市化で世襲構造は揺らぎ、民族的・階級的緊張の中で音楽家は両義的な位置に立たされてきた。

発展

20世紀後半、ディミ・ミント・アバが国際ワールドミュージック舞台でモーリタニア音楽の代名詞となった。乾季のキャンプ夜会から都市の結婚式へと演奏の場が移り、アラビア語マイク歌謡とブレンドされたポップ化が進んだ。21世紀には若手歌手が西側スタジオ録音を経て世界に紹介されている。

出来事

  • 11世紀: アルモラビド朝期にアラブ・ベルベル文化融合が進む
  • 1960: モーリタニア独立後、国立アンサンブルが結成
  • 1989: ディミ・ミント・アバがウンム・クルスーム賞獲得
  • 2000s: 西側のレーベルが録音を開始

派生・影響

アラブ古典マカーム、マンデ・グリオ、サヘルの太鼓伝統、現代マグレブ・ポップに影響を与え、影響を受けた。

音楽的特徴

楽器ティディニット、アルディン、トベル太鼓、声

リズム5モード体系、白・黒・斑の色彩理論、複合拍子

代表アーティスト

  • Dimi Mint Abbaモーリタニア · 1976年〜2011

代表曲

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