クルド民俗音楽(デンゲベジ)
国家を持たないクルド民族(イラン・イラク・トルコ・シリア)の民俗音楽群で、特に無伴奏吟遊歌デンゲベジが象徴的存在。
概要
デンゲベジは無伴奏の長大な叙事歌で、男性が10~30分にわたり戦・愛・喪失を物語る。ほかにダウル・ズルナの祝祭舞踊ハライや、サズ伴奏の叙情歌など多様な様式を含む。
背景
クルド語使用は20世紀の四ヵ国でしばしば禁じられ、トルコでは1991年まで公的場での禁止が続いた。デンゲベジは口承による民族記憶の保持装置として機能し、ジェノサイド(イラクのアンファル作戦、シャル戦争)や離散の経験を語り継ぐ。
発展
1980年代以降、シヴァン・ペルウェル、シェフムス・サキク、アイシェ・シャンらが亡命先(欧州・アルメニア)から録音活動を行った。トルコでは2009年のクルド語放送解禁後、メイレム・タンガズ、サドク・パドル・パーシャらが本格的に国内活動を再開した。
出来事
- 1923: トルコ共和国成立とクルド語抑圧
- 1988: アンファル作戦
- 1991: トルコでクルド語限定解禁
- 2009: TRT-6クルド語チャンネル開局
派生・影響
アナトリア民俗、アルメニア民俗、ペルシア古典、現代クルド・ヒップホップと交差。
音楽的特徴
楽器声(無伴奏多)、サズ、ダウル、ズルナ
リズム自由律デンゲベジ、ハライ輪舞、長大叙事
代表アーティスト
- Şivan Perwer
- Shahram Nazeri
代表曲
- Kine Em — Şivan Perwer (1979)YouTube で検索