カドンゴ・カム
ウガンダ・ブガンダ系民族で1960年代に成立した、アコースティックギター一本(「カドンゴ・カム」=小さなギターひとつ)で長尺の物語と社会批評を歌う叙事歌謡。
概要
ガナダ語(ルガンダ)の一語一語を丁寧に語る歌唱、シンプルな伴奏ギター、緩やかなテンポが特徴。歌詞はことわざ・歴史叙事・道徳的訓戒・政治風刺を扱い、5~10分の長尺となる。
背景
1960年代のブガンダ王国廃止と独立期の政治混乱の中、ウガンダ南部の農村青年エドワード・カケニ、フレッド・マサガジが弾き語りスタイルを確立した。植民地時代の宣教師ギターの普及と、伝統琴エンセグの叙事詩伝統が結びついた点が重要である。1971年のイディ・アミン政権下で多くの歌手が亡命または黙秘を強いられた。
発展
1980年代に内戦を経てゲラルド・カイロが復興を主導し、「ピエルル・カイロ」名義で道徳訓戒の歌を多く残した。21世紀にはパオロ・ケイブワ、エディ・マサガジ・ジュニアが世代継承を行い、ウガンダ・ヒップホップへの素材提供も行う。
出来事
- 1965: フレッド・マサガジ録音開始
- 1971: アミン政権下で歌手亡命
- 1986: ムセベニ政権成立後の復興
- 2010: ウガンダ国民音楽として再評価
派生・影響
ブガンダ宮廷音楽エンセグ、現代ウガンダ・ポップ、ボンゴ・フラヴァに影響。
音楽的特徴
楽器アコースティックギター、声
リズム緩やかな2/4、長尺叙事、ルガンダ語