粵劇
広東省・香港・マカオで発展した、広東語による地方戯曲。
概要
梆子・二黄声腔を基盤に、広東地域の南音や西洋楽器を取り入れた華南の代表的歌劇。広東語の九声を生かした旋律と即興性が特徴で、文戯(歌物)・武戯(武術)を併せ持つ。香港の任剣輝・白雪仙ら名優を輩出し、海外華人社会で広く愛好される。
背景
明末清初に湖南・湖北からの移民が広東へ伝えた弋陽腔系・崑山腔系を基盤に、19世紀に広東地域で粵劇が独自の形を取った。19世紀末から20世紀前半にかけて広州・香港の都市文化と結びつき、新天地・八和会館を拠点に発展した。
発展
20世紀前半に薛覚先・馬師曾ら男性スターが現代化を推進し、ジャズや西洋楽器を取り入れた。香港では任剣輝・白雪仙の『任白』コンビが伝説的人気を得、戦後映画化も盛んだった。文化大革命期に大陸では弾圧されたが、香港・東南アジア華僑社会で継承された。
出来事
- 1854年: 紅船粤劇団の弾圧。
- 1889年: 八和会館設立。
- 1956年: 任白コンビ『紫釵記』。
- 1976年: 香港粵劇学会発足。
- 2009年: 粵劇がユネスコ無形文化遺産代表一覧表に登録。
派生・影響
粵語ポップ(粵劇からの旋律的影響)、香港映画(『大紅燈籠高高掛』など)、海外華人コミュニティの粵劇アマチュア団体活動を生んだ。
音楽的特徴
楽器高胡、二胡、椰胡、月琴、揚琴、嗩吶、ジャズ系西洋楽器
リズム梆黄声腔、広東語九声に応じた旋律、文武両様の演目
代表アーティスト
- 任剣輝
- 白雪仙
代表曲
- 帝女花 — 任剣輝 (1957)YouTube で検索