琵琶楽
琵琶を伴奏に物語を語る日本の語り物音楽の総称。
概要
盲人法師による平家物語を語る平家琵琶、薩摩武士の修養音楽だった薩摩琵琶、女性も親しんだ筑前琵琶など複数の流派からなる。一人で琵琶を弾きながら物語を語る形式で、戦記物・歴史物を主要レパートリーとする。
背景
12〜13世紀、当道座(盲人組織)に属する盲僧が平家物語を語る平家琵琶として成立。16世紀の薩摩で島津氏の庇護を受けて薩摩琵琶が、19世紀末の福岡で薩摩琵琶を再編した筑前琵琶が成立した。
発展
明治期に薩摩琵琶(吉村岳城・永田錦心ら)・筑前琵琶(橘旭翁ら)が東京で全盛期を迎え、軍国主義期には愛国的物語と結びつき広まった。戦後は衰退したが、鶴田流(鶴田錦史)が現代音楽の素材としても活用された(武満徹『ノヴェンバー・ステップス』)。
出来事
- 13世紀: 平家琵琶の成立。
- 16世紀: 薩摩琵琶の発展。
- 1896年: 筑前琵琶の創始(橘旭翁)。
- 1967年: 武満徹『ノヴェンバー・ステップス』で琵琶が世界に紹介。
- 1985年: 鶴田錦史がインタビュー集出版し琵琶再評価。
派生・影響
謡曲・浪花節など語り物芸能全般に影響し、現代音楽でも武満徹らが琵琶を作品に採用した。
音楽的特徴
楽器琵琶(平家琵琶・薩摩琵琶・筑前琵琶)、声
リズム撥強奏と語りの交替、無拍節の語り部、軍記物の劇的展開
代表アーティスト
- 鶴田錦史
代表曲
- 壇ノ浦 — 鶴田錦史 (1980)YouTube で検索