アクースマティック音楽
視覚的演奏者を伴わず、スピーカーのみで聴かれることを前提に作られた電子音響音楽。
概要
シェフェールの「アクースマティック」概念(音源を見ずに聴くこと)を起点に、フランソワ・ベイル、ドゥニ・スモーリーらが発展させた。多数のスピーカーを用いた立体音響演奏(音響投影)が特徴。
背景
古代ピタゴラス学派の弟子が幕越しに師の声を聞いた逸話から「アクースマティック」の語が借用された。1970年代に音楽研究グループ(GRM)が劇場用立体音響装置「アクースモニウム」を開発し、スタジオ作品の公開上演が可能になった。
発展
ベイル「ジータ」シリーズ、フランチェス・ドオン、ジョナサン・ハーヴェイら英米作曲家にも広がった。ドゥニ・スモーリー「Wind Chimes」(1987)「Vortex Temporum」など、自然音と電子音を統合した抒情的アクースマティック音楽が確立した。
出来事
- 1966: シェフェール「音楽体系論」、アクースマティック概念の理論化
- 1974: GRM、アクースモニウム開発
- 1987: ドゥニ・スモーリー「Wind Chimes」
- 1996: ベイル「ジータ」シリーズ完成
派生・影響
現代電子音響音楽、アンビエント、サウンドアート、立体音響映画音楽など、空間性を重視する音楽全般に影響を与えている。
音楽的特徴
楽器テープ、マルチチャンネル・スピーカー
リズム音響投影、立体的空間性
代表アーティスト
- ピエール・シェフェール
- フランソワ・ベイル
代表曲
- Erosphère — フランソワ・ベイル (1979)YouTube で検索
- Wind Chimes (1987)YouTube で検索
- ジータ — フランソワ・ベイル (1996)YouTube で検索